物真似 241222
2024/12/22
創造性を問題にするとき、物真似は否定されがちだ。しかし、私のいけばなは草月テキストの型を習うところに発して応用に至っているから、相当程度の物真似の上に成り立っている。
また、いろいろな展覧会に行って、他人の制作方法や制作技術に驚いたり悔しがったりすると、帰ってからそのやり方を頭に焼き付け直して、いつかどこかで使ってやるぞと意気込む。この真似事は、物真似というか事真似である。
人間は、たいていのことは親を真似て成長する。学校で先生や先輩を真似て成長する。電車の中で出会った人を真似たり、ペットの犬を真似たり、人によっては犯罪を模倣してしまったりもする。真似をすることなしに創造力だけを高めることはできないというのが、私見である。ただし、成人してからは、自分の考えもなく猿真似をすることは避けたい。自分の意思をしっかり持って真似る対象と内容を選ぶならば、その物真似はとても創造性のあるものになるだろう。
いけばなの場合、なかなか猿真似ができないのは、同じ花を使っても花材ごとの個性が強いため、結局は異なるいけばなになるからだ。