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いけばな随想
diary

献花祭 240301

2024/3/5

毎月、月始めに、愛媛縣護國神社で献花祭が執り行われる。靖国神社と同様の性格上、第二次世界大戦の英霊も祀るという部分が取り沙汰され、「英霊」の表現が軍国主義を彷彿とさせることに向き合うことを避けたい人も多い。

そんな背景が影響したのかどうか、献花祭の役割も担う「愛媛県華道会」の会員団体は少しずつ減ってきて、草月流愛媛県支部も十数年前に脱会している。

私はしかし、2つの点で、献花祭に反対の立場ではない。

まず、私の母方の祖父は、戦時中に「アカ」の汚名を着せられ、収監後東京で国粋主義者たるべく洗脳教育を無理強いされた。戦場で肉体的に散ったのではなく、国内で同朋から追い詰められて、精神的に殺された。英霊という言葉は嫌いだが、余儀なく戦争に巻き込まれた人々の鎮魂を誰がするのかと思うと、私は自然に手を合わせたくなる。

もう1つは、フランスとかに旅行して、信仰もないのに教会を見学して「素晴らしいわねえ」と言ってしまえる人が、なぜ日本の神社に目くじらを立てるのか。キリスト教会を見学する感じで、淡々と花を供えてもいいのではないか。

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