異質素材のいけばな 250308
2025/3/8
草月テキスト3-11は「生の植物と異質素材」だ。枯れものや着色花材など、生の植物に由来するものは対象外。ストローや紙コップや自転車のタイヤや蚊取線香など、何を使っても構わない。というよりも、生の植物ではない物を必ず使えという指示なのである。
昨日のミニピアノ演奏会は、「楽器と準楽器と異質物」でソロ演奏された素晴らしいものだった。楽器だけで演奏する方が音楽的には質の高いものになるという思い込みがあったから、楽器でない玩具を使うことで演奏の質が落ちる心配が私にはあった。演奏者も妖精のようなコスプレだし、シンバルを叩く猿の玩具やピロピロ音が出る紙笛や乳幼児向けのおもちゃが、ミニピアノの周辺、演奏者の手の届く範囲に30を越える数で並べられ、その空間自体がドールハウスのように設えてあった。おもちゃのチャチャチャの世界である。大丈夫か?
ところが演奏は凄かった。サーカス村の雰囲気と不思議の国のアリスの世界が混じったような、視覚効果抜群の演奏会だった。いけばなでの異質素材の使用も普及はしたが、それで最高作をつくるのは難しい。