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いけばな随想
diary

発見と発明 241015

2024/10/19

1990年代、路上観察にハマっていた。大師匠の赤瀬川原平さんの率いる「路上観察学会」の流れを汲む「えひめ路上観察友の会」の流れを汲んで、私は「松山まちかど探検隊」を組織した。

路上観察の妙味は、たとえば、「ゴミ捨てるな!」と書かれた看板が用水路にゴミとなって仰向けに沈んでいる光景を発見し、その絵づらが「もののあわれ」を感じさせるようであれば即座に写真を撮って、「天に唾吐く堕天使」とかいうタイトルを付けて遊ぶという、遊び方の発明でもあるところである。発見と発明の二重の創作活動という、新しい芸術のありようを生み出した赤瀬川原平さんは、やはり天才だったのだ!

私たち凡人は、それを再発見するのが関の山なのだけれど、モノとモノ、モノとコト、モノとヒトなどなどを新しく関連付けしていくことで、いけばなの可能性は大きく広がると思うし、実際に草月の歴代家元も、現本部も、各支部も、そういう多面的な新しい関係性を創造しつついけばなをやっている。

そうして出来上がった作品もさることながら、それを生み出す姿勢と行為こそが草月の魅力だろう。

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