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いけばな随想
diary

目の前のボール 240102

2024/1/4

 私は30歳でゴルフを始めて34歳でやめた。去年、友人から使わなくなったセットを譲り受け、打ちっ放しの練習場へ行った。1時間で160球も打って、まともに前に飛んだのは10球くらい。練習場を出るとき、160球も打ったらそれは打ち過ぎだと、自分の体が訴えていた。
 頭ではわかっている。動作が雑だ! 目の前の玉に集中せず、打つ瞬間にはもう、玉よりも先に意識だけが着地点に飛んでいた。まだまだ目の前の玉に集中できない私が、遠い展望に気持ちを飛ばし過ぎるから、ゴルフクラブは空を切るだけで、玉は微動だにせずそこに残ってしまうのだった。
 いけばなでも、最終的なイメージばかりを追っていると、目の前の小さな作業がおろそかになる。一方で、「仕事は、前と後が大事」という、万全な準備と綺麗な片付けができない者は目の前のちゃんとした仕事すらできんぞという戒めもある。
 私は夢日記をつけているくらい夢見るのは得意だから、今日からは、夢をティーショットのティーの上に乗せるくらい地面(現実・日常)に近い高さに置いて、確実に真芯を捉える振り方を心掛けよう。

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