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いけばな随想
diary

研究会 240303

2024/3/5

「いけたら花は人になる」は、草月の初代家元・勅使河原蒼風の言葉である。その人となりがいけばなに表れるという意味だ。

その言葉通り、今日の研究会では参加者の個性が遺憾なく発揮されたと思う。言葉を交わす付き合いだけではなかなか見えない性質が、作品にありありと表象されたのだった。

人の性質というのは、これまた作品だけに表れるのではなく、制作態度や準備・片付けの様子にも表れるから面白い。それはそうと、10年前、20年前の研究会と比べると予定調和的な取り組みが減って、新しいことを試みようとするチャレンジ精神を持つ人が多かったと感じた。

人生を試し続けるのはタフさが必要かもしれないが、いけばなは、試し続ける対象としてもってこいである。仮に自分の考えや技術がマンネリ化しても、枝や花に同じものは2つとないから、意識しなくてもいつでも新しい試みになってくれる。

そして、研究会の良さは、日頃の人間関係を越えて、初めて会う人のいけ方を初めて見られる点にある。「そう来たか!」という思いがけない切り方や挿し方に接して、脳が掻き混ぜられる。

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