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いけばな随想
diary

神社の花 250409

2025/4/10

 いけばなは、時間を考える。いけばなは、そして場所を考える。
 今回のいけばなは、愛媛県護国神社の春の慰霊大祭で本殿にいけた。毎月はじめに行われる献花祭を2度体験し(20年前にわけもわからず経験した1回を数えると3度、今回を入れると4度)、献花の意味をなんとなく感じることができ始めたかもしれないと思えるようになったところだ。初めのうちは神様への献花という一面しか見ていなかったが、今日は慰霊の意味合いも併せて考えられた。
 難しく考える必要はなくても、考えてしまうのが私の性である。生身の生活者が見るいけばなと、霊魂や神様が見るいけばなとは違うものでなければならないだろうか? などと。出した結論は、華やかに、目に愉しく。とはいえ、華やかさにも上品さがいるだろうとか、楽しさではなく愉しさだろうとか、普段と違うことをするときは悩ましいものではある。
 しかし、宝物だとか金目の物だとかがなかった時代から、花はあらゆる場面で贈り物だったと思う。どんな時もどんな場所でも、そこを彩る最高のアイテムであった。境内の桜が、まさに満開である。

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