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いけばな随想
diary

第三の目 250220

2025/2/21

 いけばなの際に意識するのは、第一に自分の目、第二に他人の目。どのようにいけたいか追究する自分の目が軸になって制作は始まり、それを見てくれる他人の目を想像してあれこれ手直しをする。自分の目と他人の目を入れ替えながら、1つの作品が出来上がりつつあった。
 きょう「全国くらしの器フェア」で、出展窯元の作品16点に愛媛の華道団体から16人が参加していけばなをいける機会が用意された。搬入・設営の合間に、私もいけばなをいけながら花器を提供してくれた人とお会いできた。これによって私の目に少し狂いが生じた。その壺には16万5千円の値札が付いているので、その価値を減じる花を入れては面目ないのである。花器をつくった人の目、これが第三の目として大きく睨みをきかせてきたのだった。
 狂いが生じたと言ってしまったが、よりよい立ち位置を教えていただいたと言い換える必要がある。第三の目の出現によって私のプランは未完成だったと気付き、準備した花材だけでは完成しないと判断し、明日の朝、追加の花材を入れるとともに余分な葉を取り除くという結論に至った。

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