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いけばな随想
diary

継承者 250301

2025/3/2

 事業承継の問題がこんなにも取り沙汰される時代が来た。企業も習い事の教室も同様に、メンバーもリーダーもいなくなる。私が所属している「草月会愛媛県支部」も「愛媛県華道会」も、会員減少は看過できなくなっていて、メンバー全体の高齢化も誤魔化せない。
 なかんずく生徒数を確保できているのはどういう教室なのか聞き込みをしても、それで生計を立てていられるようなジャンルはなかなかないようで、あるとすれば学習塾やホットヨガなど頭が良くなるか体が良くなるかという効果が見えやすいもので、「習い事」の範疇から少し外れたジャンルのようだ。
 注意すべきは「効果」である。たいていは定められた基準値を上回ったとか、誰かと比べてそれを上回ったとか、相対的に自分の価値の高さを確かめたいという欲求に基いている。いけばなの価値は効果ではない。あくまでも自分中心の世界で自分の表現を追究するだけだ。
 自分以外の理由で何かをなすとき、成功も失敗も自分以外のせいにしてしまう。自分の基準と自分の責任をバトンタッチできる相手を見つける幸せは、稀有なことなのだろうか。

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