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いけばな随想
diary

線と空(クウ) 240317

2024/3/21

 私は、いけばなに向かうとき、「線」が好きだし、ひょとしたら「空(クウ)」はもっと好きだ。
 子どもの頃、繰り返し見た夢のひとつに、モンゴルの平原を風に向かって西へ駆ける様子がある。画面(視界?)の下半分は緑が薄い土褐色の草原で、上半分が青い空(ソラ)だ。そして、流れていく風景の、無数に生え広がっている草の1本1本がくっきりと見えている。それは私の原風景の1つで、どうやって駆けているのか、馬の姿はないけれど、低空飛行で丘の起伏に沿って風のように飛んでいるかのようだった。もちろん、モンゴルの地を踏んだことはない。
 20歳代の前半、喫茶店のメニューのイラストを描いて、糊口を凌いだ時期がある。線画で描いた女性の髪が、画面の端までなびいている絵ばかり。松本零士が描く女性が、というよりも、彼が描く女性の髪の線が相当好きだったとしか思えない。なびく髪でない場合は、風を数本の線で描いていた。
 そして、その1本1本の長い線を表すためには、広い空間が必要だったのは言うまでもない。いけばなでも、できれば長い線を用いた空間をつくりたい。

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