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いけばな随想
diary

美の判断基準 231219

2023/12/19

 高校3年時、放課後ポヨヨンと歌謡曲を聴いていた私は、後輩のTK氏から「普遍性というのは、歴史を越えて国境を越えて受け入れられる、つまり時空を越えて鍛えられたものこそが普遍性を持っているということなんです!」と詰め寄られ、是非ともクラシックを聴いてくださいと懇願されたのは、私の人生にとって決定的な瞬間だった。
 成人して後、「なけなしの自分のお金で絵を買う行為を重ねると、芸術を見る目が格段に鍛えられるんです」と言われながら、彼の家で彼が買った絵の1枚を見せてもらった。縦横斜めに描かれた直線が折れ曲がった先に、宙吊りにされたニワトリがぶら下がっているモノクロ線画だったと記憶している。
「ふーん。それにしても、この曲いいねー」と、その絵よりも彼がかけているBGMに興味を示すと、「わかりますか!」と、やや興奮気味の彼は、Neville BrothersのそのCD「Yellow Moon」を「差し上げます!」と言って、くれた。
 私は幸運である。若い時から、自分の美的基準をはっきり示してくれる身近な人がいてくれたのだから。その後、数をこなして自分の基準も見えてきたような気がする。

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