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いけばな随想
diary

聖なるいけばな 240721

2024/7/21

聖なるものを日頃から意識している人には、対極の俗なるものにも敏感だろう。聖なるものを日頃から意識していない私は、俗なるものも意識しようがなかった。

無理にでも聖なるものを意識しようとすると、私の場合は仏壇のビジュアルと線香の匂いが思い浮かぶ。5年ほど前に実家を改修し、床の間を潰して仏壇を入れていたのを神棚の下の押入れを潰してそちらに移し、壁を塗りなおして床の間を復活させた。かぐわしい香気を感じさせるまでには至っていないが、単に抹香臭いだけではない空間になった。

部屋に神棚と仏壇と床の間の3つが綺麗に整うと、床の間の花は、部屋を使う人に対するもてなしだけではなく、「神様仏様」に向けた献花の性質をまとったのである。部屋のしつらいが、聖を醸し出したことによって、その場のいけばなも聖を意識せざるをえなくなった。そうすると、対極に俗が現れるのも必然である。

問題は、私自身の意識とセンスを変化させられるかどうかである。場に合わせていけばなを聖化させたり俗化させられるかどうか。見てくれる相手への理解の度合いが現れるはずである。

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