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いけばな随想
diary

自と他 240310

2024/3/18

 自分のことは自分では気付きにくい。他の教室に行くと、自分の教室では見えないことが見える。
 ある教室は、テーブルが壁に向かってL字型に配置されている。生徒さんは、互いの様子に惑わされることなく、自分の制作に没頭できる空間だ。私の教室は、センターテーブルを挟んで、人と人が顔を突き合わせるように立つ配置だ。すると、互いに互いの振る舞いと作品を見ざるを得なくて、自分自身と向き合う姿勢に乱れが生じやすい。
 とはいえ、合作とか連作の場合は、他人の様子や気配に集中する必要がある。個人制作の場合は自分自身との対話に集中できても、集団で制作する場合は、自分の主張ばかりでもダメだし、主張を全くしないのもダメである。相手を否定せずいい気持ちにさせながら、自分の意見もスルリと通していく技量が求められる。私は、このへんのやり取りが相当に苦手だ。会議においても同様で、自分の出し入れのしかたにはいつも困っている。
 ところで日本の一般的な政治家のように、自分の心に嘘をつきながら他人にも嘘をつき通すような、自分も他人もないがしろにするのは論外だ。

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