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いけばな随想
diary

自分で探し出す強さ 241002

2024/10/3

中学3年生のお弟子さんがいる。彼の素晴らしさは、お稽古に来た2回に1回は、私を驚かせることである。彼がいろいろな発想でいけたり、より確実な仕掛けを自分で考えてみているとき、私は楽しみで仕方がない。

私は、教えられたやり方やテキストに載っているやり方を学ぶと、ともかく納得して、そこに懐疑的精神が生まれることはない。しかし、彼は違う。彼は、草月の「型」を破りたいわけではない。ただ、教えられることを話半分で聞いているのかもしれないし、テキストに書いてあることをあまり読み込んでいないのかもしれない。彼は、自分が取り組んでいるいけばなの作業の確実性を追い求めているうちに、私が見たこともない作業手法を見つけ出してしまうのだ。

他人に押し付けられたやり方は、それがたくさんの人に支持されていたり、数値的に証明できたりすれば安心できるが、たぶん彼にとっては、不確実なものをいくらたくさん集めても、不確実さは増すばかりなのだろう。

だから彼は、自分の手と頭だけを頼りにして、自分のやり方の正しさを強固で信じられるものに仕上げていくのだ。

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