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いけばな随想
diary

自由花 240130

2024/1/30

草月カリキュラムでは、5課程のうち1と2で、まず花型法を学ぶ。花型法は全部で40の単位で構成されており、その30番目に「自由花」が出現する。ずうっと「型」ばかりやってきた人間が、不意に「約束にとらわれる必要はないから、自由にやってみろ。」と言われるのだ。

小学校か中学校のとき、時間割に「自由時間」というのがあったように記憶しているが、何をやったか全く覚えていない。クラス全員が1つのルールの下にまとまって何かをする「不自由な自由時間」だったのか、それとも各自1人ひとりが全く自由に過ごせたのか、自由の程度は幅広い。

草月の自由花は、それぞれが本当に自由に考えろという立場だ。型という線路を機関車に引っ張られて走ってきた客車が、いきなり線路を取っ払われた挙句、自走式の機関車になってどこにでも走って行けと突き放される。これ、凄くありませんか?

人間、よくできたもので、ポーズとして途方に暮れた後、たいていはその困惑や驚きを新鮮な気持ちに切り換えて、個性的な造形を見せてくれる。そもそも、草月のいけばなを選ぶ人には底力がある。

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