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いけばな随想
diary

花とカクテル 231125

2023/11/26

 バーで話していて、「いけばなに何種類の花材を使うか」が話題となった。私は、2種類で完成させたいと言った。
 飲んでいたカクテルは、マスターが大会で受賞したレシピで、4種類の飲料とレモンの、都合5種類が材料だ。「普段は何種類でカクテルをつくることが多いの?」と聞くと、マスターは「3~4種類の材料ででつくることが多いでしょうか。コンテストで入賞するためのカクテルは、また取り組み方が違うと思っています」。
 普段のカクテルが3種、大会のカクテルが5種。これをいけばなに置き換えると、普段のお稽古が2種、花展の場合は4種ぐらいのところだろうか。
 花展を開催する会場は、たいてい集客が見込める商業または観光施設だ。その時点で、侘び寂びを感じさせるような出品は、賭けである。豪華であれば何とか「綺麗ね」と見てもらえるのだが、少ない花材で“かそけく”出品すると、「貧相だ」とか言われるのがオチだ。
 話し相手の若い彼は、できれば1種1本のいけばなをしたいと言う。気合負けした私は、せめて恰好つけて、シングルモルト・ウイスキーをストレートで飲む。

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