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いけばな随想
diary

花の購入 241107

2024/11/8

 花を買うとき、かつては花屋さんに行って物色し、色や形を見極めながら買ったものだ。目の前にあるものから選んで買う。たいていのものは、同じ買い方をしていた。
 いまは違う。何はともあれネットで検索し、赤い花だとか小さい花だとか検索条件を変えながら、自分の意図が先行して購入したい商品が決まったりする。そして、それを花屋さんに示すと「そんなもん、今年はまだ咲いてないわい!」今年は異常気象で、まだ流通していないのだとか。
 こちらが買いたい希望を示すのとは逆に、花屋さんがこれを買ってくれないかなあという希望をそれとはなく出してくることがある。先日は、コウテングワの立派な漂白仕上げだった。客が1本欲しいと注文すると、花屋さんは6本1箱で仕入れなくてはならない。手元に5本もの在庫を抱えることになる。しかも、そんなに売れる代物ではない。で、花屋さんは黙ったまま、言葉にはしないで私の目を覗き込むのだ。
 かつてLPレコードをジャケ買い(ジャケットの好みで視聴もせず買うこと)していた頃のように、いまは花の様子を見て気に入ると買ってしまう。

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