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いけばな随想
diary

花屋の付加価値 241109

2024/11/9

 一昨日の花の購入については、もう1つ重要な側面がある。今春だったか、バラを買いに行くと1本500円だった。「何じゃ、こりゃ!」と私が驚愕していると、花屋は「これは国産じゃけん。ケニアのバラなら400円、インドのバラは300円」
 国際化がそこまで進んでいたのか! とショックだった。飛行機に乗って、バラたちが世界中を旅しているのだ。水飲まなくて大丈夫? いやいや、どうやって飲んでるんだ? ネットでの購入では、こういう話の広がりは期待できない。商品の売買は物と金の交換でしかない。
 合理化されたネット取引市場は便利だが、対人の売買はそれに止まらず人間関係の構築という果実が付いてくる。時にダラダラした愚痴の言い合いで時間を食うけれど、間違いなく花に関する知識や花業界に関する知識が増える。
 AIでまかなえるだろう? という主張もあるだろう。しかし、AIは自ら進んで提案してはくれない。よい質問をすれば、驚くほどよい答えを出してくれるけれど、質問が下手だったら思うような答えを返してはくれない。生身の販売者は、いらんことまで話してくれる。

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