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いけばな随想
diary

じっくり観るということ 231226

2023/12/26

 仕事に明け暮れている時期、いけばなの優先順位は低かった。習慣化が大事だと自分に言い聞かせながら、何とか23年が過ぎた。
 取材を受ける若い人が今日のテレビで語っていたのは、映画を見る時、15分くらい見たら一区切りして、続きはまた後で見るということ。私は、呆れた。全編を一気に見てこそ「観た」と言いたい。
 習い事は、その1回が双六の1マスに相当するような連続した連なりの先に、あがり(ゴール)がある。そして、稽古の空白が長くなると、ともすれば「ふりだしに戻る」ようなことになりかねない。
 じゃあ、あなたは四国八十八か所を一気に巡礼したことある? と聞かれたら困る。分けて回り切ったこともない。また、いけばなの継続にはどんな効用がある? と問われると、そんな即効性を求めるような考えはお捨てなさいと開き直るしかない。最近は、じっくり辞書を引くことが激減して、ネット検索ばかりになったが、まだまだYouTubeやTikTokを見ることに馴染んでいないのは、私がスマホに馴染んでいない証拠で、時代から取り残されてしまうのではないかという不安も、あるにはある。

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