道具の優劣 250325
2025/3/27
花鋏は安い物で3千円、高い物で1万円、見得を張ると2万円以上だ。特に刃物はいい物を使わないとろくに切れないと言われる。そして、なまくらな包丁で修行をすると、キレイに切れないから調理の腕も上がらないと言われる。その通りだと思う。
しかし一方で、扱い方や研ぎ方を知らない初心者が包丁や鋏を使っても、要らない力で要らないものを切って刃こぼれするのがオチだから、最高の道具を持たせるのはもったいない。では1万円くらいの鋏がいいのかというと、7千円くらいでいいと言う人も、いや折角だから1万3千円くらいの鋏で始められるのならそれくらい高級な鋏がいいという人もいる。
こうなると、生徒さんへの道具の勧め方は師匠それぞれの考え方によるから、ある社中の生徒さんは安い鋏を手入れもせずに使っていたり、別の社中の生徒さんは高い鋏をよく手入れして使っていたりする。
私は初心者にはまずいちばん安い鋏を勧め、折を見て7千円くらいのものをそれとなく勧めて顔色を窺って決める。料理人の生徒さんなどは刃物を使い慣れているので、それなりの価格の鋏を提示する。