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いけばな随想
diary

お花 241124

2024/11/24

 お気持ちをお察しします。言葉に接頭語「お(御)」を付けると敬語になる。お花畑と言うのは、花畑を尊敬しているわけではなく、話をしている相手を敬っているからお花畑と言うのだ。しかし、からかう調子で「お利口さんね」と言うと、これはおべんちゃらだ。
 いけばな教室のことをお花の教室ということも少なくないし、たいていはお花を習うと言っている。これも、相手への敬意が表れたとみるべきだろう。しかし、お着物を着てお座敷でお師匠さんからお花を習うとまで言ってしまうと、むしろ相手を小馬鹿にしていることになる。
 現代社会では、大した敬意もなく慣例的に、お寺とかお札(おさつ)という表現を自然に発している。お寺さんというふうに、「さん」まで付けると、これは敬意というより親しみがこもっていると見るべきだ。
 さて、お花と言うのは、華道という伝統的な文化に対して何となく遠慮があったというか、一歩引いて奉っていたような気持ちがあったのではないだろうか。しかし、私はお花という言い方を好きではない。花を自分より下に見ているような気がしてならないからだ。

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