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いけばな随想
diary

ひねり出す 250912

2025/9/12

 いけばなの強さや柔らかさ、空間の取り方や軽やかさは、計算を何度やり直しても納得のいく所には到達しない。ぎりぎり1cmまで切り詰めても、それはまだ5㎜ずつに分割できる。それもまた半分になり、ずっと半分にし続けていける。そんなミリメートルにまで追究の手を緩めないで取り組むのは、実際のところナンセンスだ。
 しかし逆に、それでは10cmにこだわるのはどうかということになると、その長さにはこだわるべき大きさがある。では5cmは? というふうに再び長さを半分にしていくと、堂々巡りになる次第でどうにも解決しない。植物は切り花にしても成長(変化)を続けるので、こちらの計算など楽々跳び越えてしまうという難しさもある。
 また、例えば、作品がちゃんと立っていられるかという心配な作品をつくることもある。その重心を保つ微妙なバランスは、植物自身の変化によって、より危ういことにもなりかねない。
 私たちの仕事は、計算も取り入れながら、最後は計算を捨てて未来予測をするというか、エイヤっと直感をひねり出す瞬発力が必要だ。計算と答えは、たいてい一致しない。

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