ノイズ・ミュージック 240819
2024/8/19
1980年代後半、ラフォーレ原宿・松山に提案して、「ラフォーレ・アートパフォーマンス」というアート・イベントを行った。落葉をかき集めて作られた2人掛ソファは、展示翌日に大量の生きた芋虫を吐き出すなど、幅広く意表を突くような作品もあって面白かったし、アートって何? というのを再認識する機会を得た点で、自分にとってありがたかった。しかし、ファッション産業の旗手を自認していたラフォーレの意向にそぐわなかったためか、3年後に大広という広告代理店に仕事を持っていかれた。
当時、学生の時から付き合いのあった友人がノイズ・ミュージックにはまっていて、楽器演奏以外の生活音を拾い集めてハイブリッド編集し、デモテープを海外のラジオ局などに送っていた。少し飽きたのか、数年後にはその話題は彼から消えた。
人は他人と異なる表現を目論むとき、とんでもない材料を使いたいけれど、結局は現実的な落とし処を見つけて妥協する。
私のいけばなも、構想段階ではものすごい作品が空想されるが、その思いが一旦舞い上がった後、面白くない沈降曲線を描いて軟着陸する。