ハイブリッド着物 241205
2024/12/6
先日ラジオに、ハイブリッド着物の製造販売業者が登場した。聞き手のアナウンサーは、着物ならば着物の伝統を引き継いだ何かがあるでしょうという前提で話を始めたが、話し手の業者は、和装と洋装をハイブリッドしたハイブリッド着物は、「もはやハイブリッドの着物ではなく」、伝統的な和装の着物とは全く異なるジャンルなのだと返していた。
このやりとりを聞いて、私は即座に華道界のことに置き換えてみた。伝統的な華道と「いけばな」と呼ばれるものとは、全く別のジャンルになってしまっているのだろうか? いろいろ調べても、納得のいく答えはない。
しかし、「場にいける」「いけたら花は人になる」という立場の草月は、華道であるとかいけばなであるとかいう狭い境界を跳び越えて、芸術全般とのハイブリッドが既になされている。草月は、華道と呼ばれてもいけばなと言われても一向に意に介さないのは、どちらでもあって、しかもどちらをも含みこんだハイブリッドだからなのだ。
ハイブリッド着物は着物を拒否しても、ハイブリッドいけばな=草月は、ハナから何もかもを抱き込んでいる。