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いけばな随想
diary

俳句のような花 241217

2024/12/20

 日本には俳句がある。短詩型文学は語句が少なく説明的ではないから、分かるものは分かっても、分からないものはてんで分からない。だからといって「それは、どういうことを言ってるんですか?」とは、国民的地位の俳句に対して今さら聞けない。こんにちでは国際俳句も盛んだ。
 国際化が進み、日本で暮らすにもグローバルスタンダードに寄り添うか、ダブルスタンダードで乗り切るか覚悟しなければならなくなった。料理のレシピも、「塩少々」とか「しょうゆ適量」では通じない場面がある。
 日本人は島国で肌を寄せ合って生きてきて、「多くを言わんでも分かり合う」ことが当然の美徳である。分かり合っている部分がどれくらいあって、分かり合えてない部分がどれくらいあるのか、それを問題にすることも控えてきた。ところが、いけばな展の会場では、感じようとせず、ただ理解しようするものだから、不思議な物でも見るように首をかしげる人が少なくない。
 いけばなも、短詩型文学のように引き算を徹底すると、1本の線で広い空間を表現しようとする世界に至る。そこには、もう何も説明はない。 

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