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いけばな随想
diary

個性を隠す 260107

2026/1/7

 1980年代は、ウイスキーといえばサントリーオールドが全盛だった。私がアルバイトをしていた銀座のホテルが提供していた銘柄は、英国のブレンデッドウイスキー「バランタイン」で、バランスの良い透明で華やかな味が素敵だった。
 松山で会社員になってお金に余裕ができた頃、スコッチのシングルモルトウイスキーを中心に飲ませるバーが現れた。入り浸っているうちに、スモーキー且つピーティーなアイラ島の味の虜になった。とにかく、香りと味が際立って強い。
 ところが、60歳頃から、エッジの立った味がしんどいと感じることが増えてきた。人の話によると、本場グラスゴーの酒飲みはシングルモルトの比較的明瞭な味を簡単に美味いと言うよりも、ブレンデッドの微妙に隠された味を探して首をひねる方が好きらしい。通(つう)になると、重箱の隅をつつきたくなるわけだ。
 通(つう)ぶりたい時は、花を見ても「まあ綺麗」と即座に言わないこと。「うーむ」と唸って首をひねろう。いける人も、特徴を出して分かりやすいいけばなにするのは避けよう。角を隠して、一見個性のない作品に仕上げよう。

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