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いけばな随想
diary

出し惜しみ 250826

2025/8/27

 知っていることを全部言うのは、不可能ではないかもしれない。ただ、その状況を想像すると、まず聞いてくれる相手の集中力が続かず、分かりにくい話を延々と聞かされることに対して拒否反応が生じるだろう。100を伝えようとした結果、聞く姿勢を得ることなく1すらも伝えられずに終わってしまう。
 そして冷静に考えると、私が五感を総動員して知り得た情報や体験を喋りだけで展開すると、おそらく実体験の2倍以上の説明時間がかかってしまい、一生を費やしても全てを語り尽くすことが出来ないことに絶望するだろう。
 さて、相手の理解力に応じた説明の重要性である。先日、少年少女向けの文化体験の講習があり、いけばな体験をお手伝いした。最年少は3歳児。何を説明しても始まらないことは自明である。こんなとき、できることは楽しんでもらうことだけだ。これが5歳であっても10歳であっても、50歳であったとしても、初めての人が相手の場合は、説明が過ぎると相手が引いてしまう。
 私はいつも、出し惜しみしているわけではないのである。説明はいつも、足りないくらいが丁度いい。

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