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いけばな随想
diary

劣等感 240711

2024/7/11

勉強や仕事をしていると、他人と比較されたり合否を突きつけられて。自分を情けなく感じることが多い。かつて私が国家公務員上級職試験を受験最中に放棄したのは、敗北という結果を免れるためであった。途中退席したことで、もしかしたら合格していたかもしれない可能性を残す道を選んだのだ。

受験競争が済んでも、退職しても、自分を他人と比較して悲観したり他人が羨ましかったりと、心のありようとしては忙しい。趣味の世界くらいは競争もなく穏やかに暮らせるだろうと思っていたが、そうは問屋が卸さない。テレビ番組の「プレバト」でも、ランク付けされる出演者は大わらわである。

では、いけばなはどうかといえば、こりゃイイぞって感じ。「プレバト」で、華道家の假屋崎省吾氏が出演者の作品を評価していたが、今ひとつ歯切れが悪い。あれは、假屋崎氏のせいではなく、いけばなの本来的性格のせいである。花器は本人以外の作家が作っているし、花材も料理のように煮たり焼いたりはできない。ゼロからつくり上げていく他ジャンルに比べて、いけばなの良否基準はあいまいなので助かる。

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