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いけばな随想
diary

合作 241027

2024/10/27

合作(複数人で1つの作品をつくる)では、メンバーの様々な関係性によって発言力に序列ができる。だから、先般開催したいけばな展では合作を排除して個人作にこだわった。その展覧会が面白かったのは、作者全員が誰に遠慮することもなく妥協する必要もなく、個々に全力投入できたことに尽きよう。

私の体は私が操れるけれど、私たち複数の体は私だけでは操れない。心は協同できても、体は協同できない。またはその逆もある。1人の人間でさえ心身の合一が難しいのだから、大勢だと支離滅裂になるのがオチだ。

だから、複数人で作品をつくると、調整意識が働いてどうしてもカドが取れてしまう。突拍子もない芝居ができたりするのは、昔の「状況劇場」のように唐十郎という絶対的なリーダーがいたからである。1つの作品をつくる場合だけではなく、展覧会をつくる場合もそうだし、大袈裟な例を挙げると“国づくり”もそうだ。

それでは、これはどうだ? 神輿とかき手の関係である。神輿に対して無名の群衆が「わっしょい」と心と体を合わせると、神輿は上がる。主役は協同する担ぎ手たちである。

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