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いけばな随想
diary

完全体 250915

2025/9/15

 銀座木村屋の店頭に紅葉したモミジが飾られたと、テレビでレポートされていた。見ると真っ赤の葉が繁っている。枝は黒い。本物かもしれないが、人工物のように見えた。
 人工物(工業製品)は、宿命的に標準化や単純化が求められるので、自然のモミジに見られるような「折れた枝」「虫食い葉」「部分的な枯葉」「枝の色味のまだら模様」などを再現しにくい。
 ところで、韓国のタレントをはじめ、最近の日本の若い人たちの容貌もおしなべて非常に整っている。これは私の好むところではない。昔の映画でよく描かれたように、つくりもののアンドロイド的な匂いを感じてしまうからだ。日本のアニメの主人公は、作者が意図していたと思うのだが、『サイボーグ009』や『ブラックジャック』に見られるように、どこかに弱味や傷を負っていた。生き物である以上、人間もシミやソバカス、病気などがあってこその完全体である。
 飛行機や自動車などには、不備がないという意味で完全無欠が求められるが、人間や人間がつくるいけばなには、どこか足りないか、どこか過剰な仕上がりが自然な印象を与える。

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