小さな大事 240619
2024/6/20
物事の優先順位を間違えると、人生の岐路に立たされるような大問題を引き起こす。職業を4回も変えた私には、ほかにもたくさんの岐路があった。優先順位が一番高いものには労力の大半を振り向けるべきだが、思うようには振る舞えなかった。
優先順位が高いはずなのに、それをぞんざいに扱ってしまう典型事例は浮気である。私はそのような典型的な失敗を繰り返してきた。いけばなの先輩に対する敬意においてもだし、家元に対してどれだけ敬意を表せているか心もとない。
そんな大きい事例ばかりではない。花鋏は、いけばなをする者にとって優先順位一番の道具である。それを私はぞんざいに扱ってきたことについても、非常に気分が重い。あらゆるアスリートは、シューズなど自分の道具に細心の注意を払う。そしてまた、アスリートは身体のケアにも余念がない。
私はアスリートのように鋏を大切にしなかったし、自分の腱鞘炎もほったらかしにしてきた。大小に関わらず、大事にすべきものを大事にするという当たり前のことが、すべて結果に表れるという恐ろしさを放置してはならないのであった。