思考も道具 251013
2025/10/13
きょう、松江・八重垣神社の草月流島根県支部展に行った。先日、愛媛県護国神社の大祭に身を置いてから神社の2連チャン。
いけばなの道具はハサミ1本である。花器は道具というより花材の側に分類すべきだ。ワイヤーや釘などは、いつも使うわけではないので除外しておく。微妙なのは剣山だが、投入では使わないし、工夫すれば剣山なしでもいけられるし、剣山の代用品を見つくろうことも可能だ。
それでは、ハサミを握れば誰でもいけばなができるかといえば、それは簡単ではない。何も思いつかなければいけばなは始まらないし、始められたとしても、制作過程で「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しなければつまらない作品になる。
島根県支部展で私が見たのは、その試行錯誤の痕跡。次の例は半分想像で、「作品の倒壊を避けるため、境内の小川に架かる橋の欄干に作品を固定したいが、よろしいですか」という問いかけに、勝手を知らない神社は「うーん」と唸るばかり。島根県支部は仕方なくテープで養生したが、結果は悪目立ちしていた。こんな時、思考という隠れた道具で一気に打開だ。