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いけばな随想
diary

悪人は誰だ 240716

2024/7/16

昨日の愛媛新聞に、特定外来生物「オオキンケイギク」が、伊予市の海岸でお花畑になっているという記事があった。いわば悪人扱いだ。

カヌーがきっかけで川に関心を持っていた1990年代、私は重信川中流の河原にオオキンケイギクが点在している風景をたくさん写真に収めていた。流れる水が少なく、ゴロ石だらけの荒涼とした景色に、背の高い黄色のオオキンケイギクが風に揺られる物悲しい様子は、私が大好きな原風景の1つだ。

当時はそんな外来種と知らず、ぼんやりと「キク」の名が付いているから在来種だろうと思うくらいで、風景としての魅力はあっても、植物そのものに対する興味はあまりなかった。

いま、いけばなをする身としては微妙な気分である。在来種を駆逐しかねない生命力を持っているならば、確かに駆除したい。一方で、これだけ人間社会の国際化が進んでいるのに、他の動植物の住処は制限しなくてはならないのだろうか。人間が気候変動を促進させたり、森林破壊や海洋汚染を広げておきながら、「君たちは、そこにじっとしていなさい」と動植物に言う資格がないように思う。

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