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いけばな随想
diary

感動を忘れたかも 250528

2025/5/28

 不幸せが続いたあとの幸せは、心が風船のように膨らんでどこまでも風に乗っていくようだ。あまり高く上がり過ぎると破裂してしまうことがある。バンジー・ジャンプは高低差が大きいから正気を失うほどだし、落ちる滝は落差が大きく水量が多いほど衝撃も大きい。
 子どもの頃、見るもの聞くものすべてが初めて尽くしで、何でも夢中になれた。ドン・コサック合唱団の踊りをみんなで真似したり、アントニオ猪木のコブラ・ツイストを兄弟で掛け合ったりもした。
 青年になり初めて上京してからのハイテンションは、数年間続いた。初めて海外旅行に行ったときも、興奮冷めやらぬまま数週間は感動が続いた。その感動の持続時間が、年齢と共に短くなってきたように思えるのだ。逆に、やるせなさや怒りが長く続いて困る。そしてついに、最近は感動が、ない。
 その理由は2つ考えられる。1つは、世の中がつまらなくなったこと。もう1つは、私の五感全部が“耳が遠い”という状態になったこと。または、その両方かもしれない。いけばなも、出会った頃がいちばん可愛かった。今では愛のない家族みたいだ?

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