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いけばな随想
diary

暗闇の花 240623

2024/6/24

華道の歴史は室町時代に遡る。ひとまず西暦1500年頃としておく。日本で電力供給が始まったのが1900年頃なので、いけばな成立後400年くらいは日本の夜は暗かった。いけばなは、昼と夜でまるで違った印象だったと想像できる。

私はショットバーにいけさせてもらっていて、そこは現代で最も暗い空間の代表だ。スマホの性能が良くなったとはいえ、実際に暗い場所で三脚も使わず撮影した写真はエッジが立っていない。肉眼では魅力的に見えても(自画自賛!)、写真に撮ると非常に画質が悪くて嫌だ。

インスタグラムに作品を投稿するには、もっと写真としての完成度を高めたいところだが、フォトグラファーでない私が努力する範囲というものがあるように思う。私が目指さなくてはいけないのは、客のいる実際の店舗空間でいかに完成度を高めるかということで、記録写真の出来映えではない。

ファインアートは、環境に関係なく作品の独立性が担保されているかもしれない。いけばなも作品として展覧会場に展示されてもいいが、いけばな本来の存在価値は、現場空間との幸せな相互関係である。

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