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いけばな随想
diary

枕草子 250809

2025/8/9

 夏は夜……。清少納言にとっては、月夜もそして闇夜も同じように趣きがあって好ましいようだ。
 さて、今晩の風は、雨の前触れで湿ってはいるけれど涼気を含んでいて心地よい。日本人は、包容力があるというか我慢強いというか、暑くてもいい感じだし寒くてもいい感じなのである。風がなければすっくと立つし、風が強ければなびけばいいということで自分に強制した姿勢はなく、柔道のような構えで状況対応力があるともいえる。
 日本的な美を求めた東山魁夷も、広く美術全般の教養を高めるために渡欧して西洋美術を学んだ。彼は人の暮らしぶりが美術表現にも表れると考えて、積極的に西欧の暮らしを楽しんだ様子もある。このような日本人的態度は、時に優柔不断と揶揄されるかもしれないが、何事も決め付けてかからない「たおやか」な性質の表れだと思う。
 枕草子では、「春はあけぼの」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて」と、四季折々の好ましさを見出している。我々いけばなをする者も、好みの花材があることは当然としても、二十四節季を彩るさまざまな花材に分け隔てなく親しみたいものである。

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