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いけばな随想
diary

目を閉じて 241021

2024/10/21

昨日は、止まない風の中、北条のモンチッチ海岸でいけばなライブを行った。作品は無残にも完成直前に風に押し倒されて、復旧作業を余儀なくされた。昨年も同イベントでいけばなインスタレーションを行ったが、私がつくった「筏いけばな」は風に煽られ、沖まで出ることなく河口に押し戻されて座礁した。願いは叶わないから、より強い願いとして私の心に宿る。

松任谷由実の『瞳を閉じて』という曲は、「風が止んだら沖まで舟を出そう……」で始まる哀しい歌だ。その歌詞では、瞳を閉じて海を眺めるという人を食ったような、けれど私には腑に落ちる不思議な表現がある。日頃から眠たい私だけれど、何かを願うときはことさら、目を閉じて眠るような気配で祈っている。

私は、目を開けていると祈れない。左から右に何か目に映るものがあると、全然集中できないのだ。だから、私が目を閉じているときは集中しているのに、他人から見ると、うとうとと眠りの淵に入りかけているように映るらしい。

目を開けていたら、風も見えない。いけばなライブでは、目を閉じて海風を見なければならなかったのに。

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