職人と記名 240227
2024/3/3
私は、地方の中小企業にいて、役所や企業から印刷物の編集やデザインを受注していた。しかし、私の名前も、会社名も記すことはなかなか叶わなかった。「電通」とか「凸版印刷」などの大企業は、同様の仕事を受けると、巻末に企業名を記すことが許されたし、編集者等の個人名も記された。
製作物に製作者の名を記すことについて、私は基準を見出していない。たとえば、絵画や書にサインや落款があるのは当然だと思える。花器や食器の裏に銘があるのも構わない。ボールペンにメーカー表示があるのも、自動車にメーカーのエンブレムがあるのも容認する。
しかし、庭師がすばらしい庭園を設計・造園しても、その庭に目立つような形で庭師の名前が目立っていたら幻滅するだろう。また、玄関ドアや食器棚の扉に目立つような社名やなんかが入ることは許せない。ネクタイやバッグにブランド・ロゴがでっかくデザインされていると気恥ずかしい。
いけばなを飾るとき、いわゆる名札を出すべきかどうなのか、時と場合によるだろうが、どういう線引きをして出す・出さないを決めたらいいのだろうか。