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いけばな随想
diary

色気 250910

2025/9/10

 色気があるというのは大好きな言葉だが、誤解を招きやすいので使い方に気を遣わなければならない。色気ムンムンなどと言うと一気に低俗になる。逆に、色気がない物の様子から想像していくと、色気というのが価値あることだ分かってもらえるだろう。
 たとえば、色気のない料理。食材が綺麗で美味しそうだが、目を凝らすと刺身の切り口の照りがボンヤリしていたり、ツマの大根がやや乾いていたりする様子。丁寧に盛り付けて品行方正な佇まいだが、隙がなさ過ぎて余裕や個性が感じられない様子。料理の色気は、鮮度に影響される割合が高いのも弱味だ。
 これらのことは、そのままいけばなへの置き換えが可能である。料理よりは作品の鮮度は長持ちするし、人間ほどではないにしても、枯れかけた色気というものもある。人間は、若過ぎたら色気は出せない。それに似て、花や草は若さも一生も短く、色気を出す暇がない。いけばなの色気というのは、やはり枝ものに限る。枯れても“枯れもの”として色気を失わない。
 そうすると、人間の色気はどこに表れやすいのか。新陳代謝の早い肌よりも、骨だろう。

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