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いけばな随想
diary

花型(かけい)に戻る 240422

2024/5/6

 自分の居場所を特定するためには、世界を眺めて「相対的に」自分を省みなければならない。しかし、世界は動いているし、見比べる他人も動いているから、自分の居所も絶えず流動的である。世間の流行や見る人の反応に応じて自分の見せ方も変えたくなるので、ますます自分の位置取りは不安定になる。
 そんなとき役立つのがテキストであり、花型である。花型は「絶対的な」基準である。基準に対して、我々はなぜ? を問うてはならない。私は去る2月の昇格試験において、その花型の問題で躓いた。私のいけばなが定まらなかった所以である。そんな私が言うのも変な話ではあるが、花型に疑問を呈するには、家元と差し違えるくらいの相当な覚悟がいる。私はその必要を感じないので、(これからは心を入れ替えて)花型を基に、自分のズレを修正するばかりである。
 テキストや型は、私のように軽んじてしまう者も少なくない。また、そうでなくとも、一旦モノにしてしまうと邪魔なもののように扱われることが多い。
 しかし、不自由を知る者が自由を謳歌できるように、型を知る者が型を破ることができる。

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