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いけばな随想
diary

花粉 240627

2024/6/28

我が家の猫は長毛種で、1本1本の毛が極めて細い。触るとふわっとして心地よいが、そのたびに毛が何本か抜けて空中に舞い、必ず私の口髭や睫毛に絡む。目や口や鼻の粘膜に纏い付かれるので厄介だ。

私は、木肌や葉っぱ、花びらやバラの棘さえも触るのは好きなのに、花粉や木くずが目鼻に入るのは困ったことである。

あるとき綺麗に花を飾ってある飲食店に行って、初めての店だったので会話のきっかけを「感じのいい花ですね」で始めようとしたら、くしゃみが出た。私が花瓶の花を見ていたことを目ざとく見つけていた店のマダムが、「すみません。(花を)どかしましょうか?」と恐縮した感じで言うので、「いえいえ構わないんです。おかしいな? 花粉症でもないのに」と嘘をついた私。なんて不毛で不幸なやり取りだろう!

病院で処方してもらったアレルギー薬を毎晩飲んでいるからか、花粉症が出ないときもある。花も、種類によって、見ているだけならおとなしい時も、見ていただけなのに花粉や胞子を撒き散らして攻撃してくる時もある。目薬を挿し挿し、仲良くしようよと語りかけるのだった。

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