草月カリキュラムの旅 240829
2024/8/29
草月を習うカリキュラムは、私たちが人生で旅をするパターンに似ている。少年期は家の近所を走り回り、青年期に遠くを旅するようになり、壮年期には足跡を振り返り遠近取り混ぜて自己体験を総合する。
草月のカリキュラムは、テキスト1・2が少年期に相当する。型を学んで「いけばな世界」の骨格部分を身に付ける。テキスト3・4は青年期だ。人生のビジョンを立てられるよう、多彩な展開のしかたを学ぶ。テキスト5で、これまでのキャリアを総動員して基本型や応用型を咀嚼し直し、理解を深め、他人に伝えるための言葉と技を定着させる。
また、テキスト1・2の段階は一方的に教えられる立場。テキスト3・4の段階は花材と自分の1対1の対話が深められ、テキスト5は習い合う段階というか、教えあう段階というか、花と人・人と人・人と空間などの多元的関係になる。
そして、テキストをマスターした先には、その時どきに思うようにいけても、ちゃんと自他を幸せにする花がいけられているという具合である。そのレベルに達したとき、人生においても同様で、思うように生きることができる。