葉山有樹氏に会う 251120
2025/11/21
いよてつ髙島屋に「葉山有樹展」を観に行った。事前の情報では“売れそうな”陶磁器を“高額で”売って、“小説や絵本”も書く“同世代”の“世界的な”作家のようだから、きっとギトギトして気取った男ではないかと予想して、妬みに近い反発心もあった。
今日は寒い平日で、会場の客はまばらだった。否が応でも販売員たちの目に留まる。腰は引けているのに顏は前のめりな私に興味を持ってくれた1人が、作家に引き合わせてくれた。神の思し召しか、私は彼と小一時間言葉を交わし、私との写真にも収まっていただいた。妬みも反発心も消えた。
彼は洗いざらしの白いシャツを着て、会場の片隅の簡易机で安物のライトスタンドを照らし、ポケットティッシュを広げて2枚重ね、普及品の絵具皿から蒼い墨で超細密画を描いていた。中筆に近い小筆で、1mmよりも細い線で、下描きなしの夢幻の世界が浮かび上がってくる。修練を続けているのだと、純粋な語り口で言う。
そして、完璧で華やかな薔薇や牡丹もいいが消えゆく儚さを宿した枯葉や落葉がいいと言う修行僧のような彼に、心の底から降参である。