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いけばな随想
diary

虫と花 240523

2024/5/29

基本的に防虫剤を使わないので、いけばな教室の庭は生き物の楽園だ。蟻とミミズ、蚊やクモも多い。福岡正信氏の引き算の「自然農法」思想を聞きかじり、「虫に食い尽くされる以上に生長する植生」というビオトープに憧れていた。

だから、いけばなで使い残した枝ものは手当たり次第に挿し木をして、枯れる木もあるけれど、枝垂柳などは大木に育ち過ぎたので数年前に切った。

しかし、毎年のようにサルスベリはうどん粉病にかかるし、常盤万作にはアブラムシの帝国が広がる。桃とクチナシの若葉は青虫に丸裸にされるし、雨上がりにはヒメツルソバの茂みから這い出たナメクジがブロック塀を這い回る。今春はトキワサンザシに、初めて大量の黒い青虫が群がっていた。また、理由不明で50年物のツゲが枯れた。

そんなわけで、今年はついに病気や虫に効くスプレーをピンポイントで吹いて対処し始めた。それでも、ナメクジ駆除は箸でつまんで捨てるという完全無農薬方式だ。20匹も捕まえると割箸の先がぬめってしまうので、ハムシに食われて落ちたキンモクセイの葉で拭いながら黙々と作業する。

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