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いけばな随想
diary

量が質になる 240517

2024/5/18

私は、いけばなを始めてこのかた、飽き性なので徹底して「型」をマスターしてこなかった。他人に対する興味が薄いから、他人の作品をあまり見なかった。おこがましいことである。だから、私は大したいけばな作品を残せていない。

いろいろ仕事もしてきて、もう退職してしまい、今に至って「量をこなす」大切さがわかるようになった。量をこなすことは情熱にも関係することだと思うので、これまでの私には情熱の量も足りなかったとしか思えない。情熱の量が足りないと、取り組む仕事の量も趣味の量も、人と付き合う友情や愛情の量も足りなくなる。

一握りの天才は、量を問題とせず一気に質の高い成果を出す。とはいえ、天才も凡人も同じだけの人生の時間を持っているのだから、天才は天才的な時間の使い方をしているのかもしれない。凡人はきっと無駄な時間が多いのだ。下手な考え休むに似たりだ。

しかし、いけばなの生徒さんや他の先生を眺めて、ほんとうに他人の作品をよく見ていると舌を巻く。それで、めきめき上手になっていく。やはり、質を上げるためには量が必要なのだとつくづく思う。

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