闇のいけばな展 251130
2025/11/30
夜は暗いものであり、とりわけ日本の家々の夜は昔からあまり明るくなかったと思う。松明のような強い明かりを求めると、火の粉で簡単に焼けてしまう建材と構造だったこともあるのではなかろうか。私が教室として使っている実家の床の間は、明かり取りの床窓がないため西日が射す時間帯以外は昼でも暗く、良く言えば陰影が濃い。
そこで、いけばなを飾った時に明瞭に見えるよう、邪道だと思いつつも床の間の天井に照明器具を仕込んでいる。SNSによる発信が平常的行為となってから、世の中から陰影が消えていっていることを感じる。我が流派のいけばなも、自分のいけばなも、光量過多の場にいけることが多いと思う。
過去のいけばな展を思い返してみると、自分に与えられた花席に、天井光が当たっていないとかスポットライトで照らせないのかという意見の聞こえることがあった。しょうがないでしょ、という諦めから作品を構想する必要があるだろう。
妄想段階だが、抑制を競うような夜のいけばな展をやってみたい。目をこするとぼんやり見える、見えない人には見えない闇のいけばな展である。